地方誘客につながるプロモーションとは?観光資源を活かすPR戦略のコツと事例を紹介

地方誘客につながるプロモーションとは?観光資源を活かすPR戦略のコツと事例を紹介

  • WEB・デジタルマーケティング

何ができる?観光プロモーションの基本と施策例

観光プロモーションとは、地方自治体や観光団体が地域の観光資源を活用し、訪問してくれる観光客を誘致するための広報やPR活動の仕組みです。デジタルからリアルまで様々な施策を組み合わせ、効果的にプロモーションを行うことが重要になります。
例えば、施策には次のような手法があげられます。

▼プロモーション施策例

施策内容
SNS運営(Instagram、X、Facebookなど)写真・動画を活用しながらタイムリーに地域の魅力を発信
ポータルサイト作成観光情報を集約した専用WEBサイトで情報プラットフォームを構築
イベントやツアー開催現地での体験を通じた交流・回遊促進を狙う施策
PR動画の作成ストーリー性を持たせ、視覚的に魅力を伝える動画コンテンツを制作
広報誌の制作紙媒体ならではの深い特集や地元店舗紹介などで地域への愛着を醸成

魅力の「見える化」で観光資源をPR

「観光資源」とは、観光名所や歴史ある伝統・文化、食や自然とアクティビティなどの地元でできる体験といったものを指します。例えば絶景スポットがある場合、ただ単に「絶景スポット」として紹介するのではなく、「○○(地名)の隠れ家的絶景スポット」といったように、その地域だからこその魅力をわかりやすく「見せる」ことが大切です。そのためには、発信していく対象や、発信媒体の選び方などをよく検討したうえでPR戦略をしていく必要があります。

観光誘致を促進するPR戦略の進め方

まず、PR戦略をどのように立てていけばいいのでしょうか。押さえておきたい基本ステップをご紹介します。

観光資源の棚卸しと差別化ポイントを明確にする

地域の観光資源を把握し、他地域と差別化できるポイントを明確にしましょう。季節性やストーリー性を整理し、旅行先としての強みを的確に盛り込んだPR戦力を立てるための下準備となります。

ターゲット別に戦略を立てる

ファミリー、若年層、シニア層、インバウンドなど観光に訪れる層は異なる価値観を持ち、求める体験も異なります。ターゲットごとのニーズを考え、情報発信する内容や媒体も適した形で訴求することで、より効果的なプロモーションを展開することができます。

ビジュアル設計・SNS活用で「伝える」導線をつくる

どのように情報を見せるか、「見せ方」にも工夫があるとより効果が期待できます。感覚的になると軸がブレたりと全体のブランディングに影響が出る恐れがあるため、SNSの更新や投稿写真の構図、スマホ閲覧時の導線など、あらゆる「伝え方」の設計を予め決めておきましょう。

ゴールのすり合わせ(成果とKPI)をする

プロモーション施策では、「どれだけの人が見たか(リーチ)」「どれだけ行動につながったか(コンバージョン)」などの成果指標(KPI)を事前に設定することが大切です。たとえば、WEBサイトならPV数、SNSであれば投稿記事のシェアや保存率・フォロワー数、リアルイベントであれば来場者数、などが指標となります。数値の把握・分析により、次回施策への改善サイクル(PDCA)を回しやすくなり、継続的な観光誘致の仕組みを作ることができます。

効果的な観光プロモーションとは?成功のためのポイント

次に、具体的な観光プロモーション施策のポイントを解説します。

SNSを活用した観光PR戦略|Instagram・Xの特徴と活用法

拡散力の高いXや、写真やリール動画、ストーリーズ機能で疑似体験のできる視覚的訴求力の高いInstagram(インスタグラム)など、アプリごとの強みを活かした発信をするのがポイントです。

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WEBサイトやPR動画でストーリーを発信

WEBサイトは地域の情報発信のプラットフォームとして役割を担います。コンセプトワークから設計したビジュアルイメージを反映し、SNSや各種メディアを通じて「もっと深く知りたい」と感じたユーザーがサイト訪問した際に、知って得するような旅程やおすすめコースなど、SNSよりも詳細な情報が掲載されていると良いでしょう。

また、PR動画では地域の魅力を切り取りつつ、全体像を感じられるようなストーリー性のある動画で心を掴みましょう。地元の雰囲気を伝えることで魅力や個性を知っていただき、愛着や興味関心が生まれ「ここへ訪れてみたい」という気持ちを後押しします。

▼関連する実績

松山市観光促進のプラットフォーム

松山市役所

松山市観光促進のプラットフォーム

現地体験と連動したイベント・周遊企画などのリアル施策

オンライン上での施策と並行し、地域イベントなどのリアル施策も行うと効果的です。例えばスタンプラリーや、普段一般公開されていないエリアの限定ツアーなど、訪れた人の記憶に残る特別感のある企画で、リピーターの醸成や口コミによる拡散促進に繋がります

地域事業者との「一体型プロモーション」と「広域連携」

地域事業者との協力体制をつくる

観光プロモーションを実施していくには、地元の宿泊施設や飲食店交通機関との連携・協力体制が成功のカギとなってきます。地域住民や事業者との意見交流の場を作り、プロモーションに取り入れるなど、地域全体を一つと捉え、統一感のある発信をすることで、訪れる人にとっても魅力的な印象となります。

広域連携による観光プロモーション

一つの街では観光資源の数も限られてきます。そうした場合に「広域連携」を前提にプロモーションの戦略を打ち立てるのも有効です。広域連携は地方観光の施策でも活用されるケースが多く、大きな規模で効果的な観光PRが可能になります。
また、複数の観光資源を結ぶことによって観光体験が広がり、滞在時間や消費額の増加が期待できる点も広域連携のメリットといえます。「広域連携」は周辺地域との連携が必要な分、単体で展開するよりも複雑で難易度も上がりますが、その分できることも増え、経済効果も期待できる施策です。

【事例紹介】当社が支援した観光プロモーション

肱川を身近に、気軽に楽しむ新たな観光商材「お舟めぐり」のPR

愛媛県大洲市には日本三大鵜飼「大洲のうかい」という観光コンテンツのほか、屋形船や遊覧船といった「肱川」中心に観光地としての魅力を有していました。従来の体験商材は「時間をかけて」「ゆっくり」楽しむコンテンツであり、事前予約などの前準備が必要でした。
そこで大洲市の観光事業者様にて企画されたのが、もっと「気軽に」肱川を楽しめる体験「お舟めぐり」です。遠方からの旅行者だけではなく県内や近隣からの観光客もターゲットとして、体験商材のネーミング、ロゴや各種サインの制作のほか、プレリリース配信やメディア向けの告知などPR活動を実施。新聞・テレビでご紹介いただき、サービスの認知拡大へとつながりました。

▼実績について詳しくは下記リンクをご覧ください。

地域資源を活かした体験商材のブランディング

一般社団法人キタ・マネジメント

地域資源を活かした体験商材のブランディング

SEKIディレクターのこだわり

SEKIディレクターのこだわり

大洲市の観光関連のプロモーションは数年にわたってご支援させていただいておりました。大洲市はまちの文化形成、産業のあり方…どれをとっても、肱川とともにあったと言ってもよいほど、肱川とは切っても切れない深い縁のある地域です。お舟めぐりは、来訪者の方が大洲を知る入口にも出口にもなるような身近な体験機会としての意義があります。また、主要観光コンテンツの「うかい」は夜間運行のみですが、そこに関与されている船頭の方々の活躍が広げる場でもあります。サステナブルなまちづくりの姿勢をブラさない“大洲市らしさ”が詰まっていてとても好きな取り組みです。
大洲市が構築されてきたブランドイメージを活かすこと、現地の乗り場や船を視察したり、時期による変動性を加味しながら来訪者にとって違和感やストレスのない情報伝達になるように配慮して、コミュニケーションツール類の企画・制作に携わりました

魅力あふれる観光資源の見せ方|行きたくなるポスターデザイン・キャッチコピー作成

「四国はひとつ」をテーマに、四国ツーリズム創造機構様とともに展開した広域観光プロモーションのポスターディレクションでは、四国4県の多彩な魅力を「四国は、負けていない」というキーワードで統一。あえて有名観光地を引き合いに出し、派手さはなくても魅力のある四国を打ち出す印象的なコピー・ビジュアルを活用し、観光資源の再発見を促すポスターを制作しました。

実績について詳しくは下記リンクをご覧ください。

四国での広域観光を全国的に発信する

四国ツーリズム創造機構

四国での広域観光を全国的に発信する

観光プロモーションが地域経済に果たす役割

観光PRによって誘致される人の流れは、宿泊や飲食、交通など幅広い産業に効果を及ぼします。2024年の国内旅行消費額はおよそ25兆1,175億円、一人あたりの旅行単価は46,579円とされています。(観光庁『旅行・観光消費動向調査 2024年年間値及び2024年10-12月期』より)さらに、地域内の雇用創出や若者の定着、事業者の新規参入など、持続的な活性化にもつながる可能性があります。
観光資源をPR素材と認識するのではなく、観光プロモーションの企画段階から、こういった経済効果を見据えた長く愛される観光地づくりをイメージし戦略を立てると良いでしょう。

プロモーション成功に向けたチーム体制を築くために

多角的なアプローチが必要となる観光プロモーションは、自治体や観光協会だけで完結することが難しい場面も多くあります。そんな時、よりよい効果的な施策を行うためにも、制作会社や広告代理店、クリエイター、交通・宿泊事業者との連携をとることが必要となってきます。外部パートナーの専門知識を活かすことで、戦略立案から実施・運用・分析までをスムーズに進行でき、費用対効果の高い施策設計が可能です。そのためにも、事前に観光プロモーションについての基礎を身につけた上で、役割分担や連携体制を話し合っておくことが、成功のカギとなります。

まとめ|観光プロモーションの成功に必要な視点

地域の魅力を正しく届け、観光客の心を動かすには、感覚的なPRだけでなく、戦略的な設計が不可欠です。観光資源の魅力を見える化し、届けたい相手に響くメッセージを、適切なチャネルで継続的に発信していく。それが、観光プロモーション成功の第一歩です。セキ株式会社では、自治体・観光団体とともに、地域に根ざしたストーリー設計からクリエイティブ制作、SNS運用まで一貫して支援しています。観光誘致に課題を感じている担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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