地域特産品を活かしたブランディングとプロモーション事例

地域特産品を活かしたブランディングとプロモーション事例

  • デザイン・ブランディング

地域特産品には、地元の風土や気候、生産者の想いが深く根づいています。しかし、地元でしか採れない食材や、伝統的な製法でつくられる商品など、品質が高く、歴史や文化を感じさせる食材が数多くあるにもかかわらず、「商品の価値や魅力が思うように広まらない」といったお悩みを抱える生産者様や企業の方は少なくありません。

現代において消費者は、単なる「味」や「価格」だけでなく、その食材が生まれた背景や、作り手の想いにも価値を見出すようになっています。つまり、選ばれる理由をつくるには、食材の魅力を言葉やデザイン、体験として届ける工夫が欠かせません。

ブランディングとは、商品の見た目を整えることだけではなく、「この食材には、こんな想いがある」「こんな食べ方をしてみたい」といった共感を生み出すための仕組みづくりです。
食の魅力を正しく伝えることで、地地域特産品は単なる「地元の名物」から、「また食べたい・贈りたいブランド」へと成長していきます。

地域特産品が持つ価値とは?

地域特産品には、地元の風土や気候、生産者の想いが深く根づいています。
たとえば、地元でしか採れない食材や、伝統的な製法から生まれる味わい、食感など、背景を丁寧に伝えることで、食そのものの魅力がより深く伝わります。こうした地域ならではの魅力をパッケージやネーミング、写真やコピーなどの一つひとつに反映し、商品の味や香り、手仕事のぬくもりを想像させる工夫も必要になります。

価値のある商品も、ただ発信するだけでは届きません。「どんな人に、どんなシーンで選ばれるのか」という視点を明確にし、デザインやメッセージに落とし込む個性(=ブランド化)を発信することが大切です。

「伝わる」ブランディングとプロモーション

ブランディングとは、商品の「らしさ」を見える形にして伝えることです。食のブランドづくりでは、「おいしさをどう伝えるか」も重要です。味や香りといった感覚的な要素を、ビジュアル・言葉・体験で再現することで、消費者が食べる前からおいしさを感じる仕掛けをつくります。
そのためには、デザインとプロモーションを一貫して考えることが大切です。商品の背景を整理し、ターゲットや販売チャネルに合わせて、パッケージ、カタログ、ブランドサイト、SNSなど複数の接点で魅力を発信していきましょう。

次にご紹介するのは、当社で実際に実施した地域特産品のブランディング事例です。

当社における地域特産品のブランディング実績

事例①宇和島市の特産品「スジアオノリ」のブランディング

地域の特産品をブランドとして確立するためには、商品開発・デザイン・発信の一貫した戦略が求められます。
ここでは、愛媛県宇和島市で事業を展開する、スリーラインズ株式会社様で製造している商品の、ネーミングからパッケージデザイン、販促ツールに至るまでを一貫して担当した際の事例をご紹介します。

ネーミングからデザイン・販促までを伴走し商品の魅力を追求

スジアオノリは、愛媛県や徳島県で養殖される青のりの一種で、繊維のきめ細やかさと滑らかな食感が特徴です。このスジアオノリを宇和島市遊子地域で養殖・販売しているスリーラインズ様の商品は、まるで絹のようになめらかな食感を強みとしていました。
その柔らかな口当たりと見た目の繊細さを表現するため、商品名を「絹のような青のり」=『きぬ青のり』と名付け、地域らしさと独自の強みを意識したネーミングを考案しました。

消費者視点の工夫で購買意欲を喚起

見た目の美しさを伝えるために、パッケージには半透明素材を採用。商品のきめ細かな質感が見えることで、手に取った際に商品の良さがわかりやすくなるデザインに仕上げました。
また、店頭で配布するリーフレットには、家庭での使い方やおすすめレシピを掲載。「買ったあとどう使うか」を想像できることで、購買意欲が自然と後押しされるような工夫を取り入れました。

販路拡大・BtoB展開にもつながる結果に

こうしたネーミングや消費者目線の取り組みにより、「きぬ青のり」の特徴や食べ方を多くの方に周知することができました。
販売は主に道の駅を中心としていましたが、生産量が安定してからは、BtoB向けの取引にも展開されるようになり、素材のもつ強みを活かしたブランディングによって、地域特産品の魅力が正しく広まるとともに、新しい市場に認知される結果となりました。こちらの事例の詳細は、下記よりご覧ください。

商品✕デザインで6次産業化のサポートを

スリーラインズ株式会社

商品✕デザインで6次産業化のサポートを

事例②「半田そうめん」の魅力を全国へ届けるブランディング

徳島県・半田地区に伝わる手延べそうめんを製造する小野製麺有限会社様。同地区内に30ほど軒を連ねる製麺所の中から、自社のそうめんをどのように全国へ発信していくか、というご相談をいただき、企画からブランディングに着手しました。

独自に命名された半田めん』というブランド軸

料理研究家・故土井勝氏によって名付けられた半田めんという言葉に着目し、当社ではこれをブランディングの中心に据えました。地域に数多くある半田そうめんとの違いを明確にし、半田めんならではの個性を打ち出すことで、ブランドとしての独自性と認知度の向上を図っています。

徳島の自然風景を取り入れたビジュアル表現

WEBサイトやパンフレットでは、徳島の清らかな水や豊かな自然、製麺工程・素材へのこだわり・職人の想いを丁寧に表現しました。跳ね上がる水しぶきの中で輝く白い半田めんを中心に配置するなど、現地の空気感や躍動感を感じさせるデザインに。リーズナブルなそうめんとは一線を画す、上質で品のあるブランドイメージを意識しています。

「心を込めてつくる」を伝える、継続的なブランド発信

現在も、WEBサイトの更新や季節ごとのパンフレット制作やブログでの発信などで、継続的にブランドイメージの発信をしています。「おいしい『半田めん』を全国の食卓へ届けたい」という小野製麺様の想いを大切に、築いてきたイメージを守りながら、徳島の伝統が息づく地域特産品としての価値を全国の方々に知っていただいています。こちらの事例の詳細は、下記よりご覧ください。

ブランディングとデザインで徳島発ブランドを全国に

小野製麺 有限会社

ブランディングとデザインで徳島発ブランドを全国に

事例③:愛媛・高知の地域食材をその魅力と共にお届け

『えひめこうち食べる通信』とは?

当社が運営する愛媛・高知の食材を特集した『えひめこうち食べる通信』では、農家や地元企業で取り扱っている地元ならではの食の数々をご紹介しています。
生産から販売に至るまでのストーリーや、関係者の想いをのせて発信し、「つくる人」と「食べる人」をつなぐ、をコンセプトに食材や情報を想いと共にお届けしています。こちらの事例の詳細は、下記よりご覧ください。

『えひめこうち食べる通信』について詳しくはコチラから

「えひめこうち食べる通信」ディレクターのこだわり

「えひめこうち食べる通信」ディレクターのこだわり

地域特産品のPR方法は、扱う産品の特性やターゲットによって大きく変わります。
けれど、どんな案件であってもスタート地点は同じです。まずは、つくり手の方々の想いにじっくりと耳を傾け、その地域を歩き、食べ物であれば実際に味わい、自分自身の五感を使って産品の背景を理解することを心がけています。
そうして感じたことの解像度を上げながら、強みと課題を丁寧に整理していく。
このプロセスこそが、より良いプロモーションの提案につながると考えています。

いま、私が担当している『えひめこうち食べる通信』では、毎号ひとつの食材をテーマに、生産者の記事(ウェブコンテンツ)と実際の食材をセットで会員様へお届けしています。

過去に「豆腐」を特集した号では、「大豆の栽培から手がけていることを知ってほしい」という生産者様の想いを受けて、豆腐と一緒に原料の大豆の粒も同梱しました。
結果として大きな反響をいただき、生産者の方にも喜んでいただけました。

産品によって最適なアプローチはさまざまですが、つくり手と消費者の距離を少しでも近づけるお手伝いができた経験の一つとして、印象に残っています。

地域特産品のPRのために|当社でサポートできること

地域特産品の魅力を届けるために、当社では、必要に応じて商品開発の段階から伴走し、デザイン・情報発信も含めたトータルブランディングを強みとしています。

ネーミングからデザイン、情報発信までの一貫ご支援
まず、商品の特徴とターゲットを整理するブランド設計を行い、協議を重ねた上で、より効果的な方法を共に考えていきます。そこからネーミングやロゴ・パッケージデザイン等を立案し、ブランドの軸を設定。さらに、カタログやWEBサイト、SNSなど複数のチャネルでの発信もご支援を行うことがあります。
統一感のあるビジュアルとメッセージで世界観を表現し、消費者の印象に残るブランド体験をつくります。

地域らしさ・背景を丁寧に伝える
地域特産品の価値は、見た目や味だけではありません。その背後にある「人の想い」「土地の個性」もブランドの本質です。
当社では、現地の取材やストーリー設計を通じて、商品の背景を「伝わる言葉」と「伝わるデザイン」で表現します。たとえば、生産者のこだわりを紹介する特設ページや、SNS動画による発信など、媒体に合わせた方法で展開が可能です。

一緒に最適な発信方法を考える
「いいものを作っても、うまく伝わらない」
「ブランドのイメージを統一したい」
当社ではそんな悩みを抱える地方自治体様や地域企業の方々に寄り添い、課題の整理から伴走します。
地域特産品の強みを見つめ直し、どんなターゲットにどう伝えるかを一緒に考え、その上で、最適なデザイン・表現・発信方法をご提案してきた実績がございます。

まとめ|地域特産品を活かしたブランディングとプロモーション事例

まだ知られていない特産品は、全国各地に数多くあります。
ブランディングやプロモーションを通じて、その魅力を正しく伝えることで、多くの方にその魅力を知ってもらえるだけでなく、地域のブランド価値を高め、持続的な発展へとつなげることもできます。

セキ株式会社では、これまでに数多くの地域の特産品や観光資源のブランディングを手がけてきました。
ネーミングやデザインだけでなく、戦略的な発信や販売促進までトータルにサポートいたします。地域特産品のブランディングや、地域ブランディングにお悩みのご担当者様も、ぜひご相談ください。

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