アクセシブルデザインとは?意味・規格から、パッケージとWEBの実践例までわかりやすく解説

アクセシブルデザインとは?意味・規格から、パッケージとWEBの実践例までわかりやすく解説

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「アクセシブルデザイン」という言葉を耳にする機会が増えています。高齢化の進行や、障がいのある方への配慮を求める社会の流れのなかで、企業のものづくりやWEBサイトにも、いま対応が求められています。本記事では、アクセシブルデザインとは何かという基本から、ユニバーサルデザインとの違い、JIS規格、そして当社(セキ株式会社)が取り組む「パッケージ」と「WEB」二つの実践事例まで、わかりやすく解説します。

アクセシブルデザインとは?

アクセシブルデザインとは、高齢者や障がいのある方など、これまで製品やサービスを利用しづらかった方が、支障なく使えるように配慮した設計のことです。「アクセシブル(accessible)」は「近づきやすい・利用しやすい」という意味で、視覚・聴覚・身体などにハンディキャップのある方でも、必要な情報や機能にアクセスできる状態を目指します。
たとえば、色だけに頼らず文字や形でも情報を伝える、大きく読みやすい文字を使う、音声でも内容を伝える─こうした一つひとつの工夫が、アクセシブルデザインの実践です。特別な誰かのためだけでなく、結果として多くの人にとって使いやすいものになる点が、この考え方の大切なところです。

ユニバーサルデザイン・インクルーシブデザインとの違い

アクセシブルデザインは、ユニバーサルデザインやインクルーシブデザインと混同されがちですが、それぞれ重視する点が異なります。

高齢者や障がいのある方が「利用できる」ことに主眼を置いた設計。バリア(障壁)を取り除くことを重視します。

年齢・能力・状況にかかわらず「はじめからできるだけ多くの人が使える」ことを目指す、より広い概念です。

設計の段階から多様な当事者を巻き込み、一緒につくることを重視する考え方・プロセスです。

厳密には重なり合う部分も多く、いずれも「多様な人が使える」ことを目指す点は共通しています。まずは、アクセシブルデザインは”バリアをなくして誰もが利用できるようにする設計”と理解しておくとよいでしょう。

アクセシブルデザインを支えるJIS・ISO規格

アクセシブルデザインには、客観的なものさしとなる規格が整備されています。日本では日本産業規格(JIS)が、国際的にはISO/IECが基準を定めており、高齢者・障害者配慮の設計指針として活用されています。たとえば、読みやすい文字の大きさやコントラスト、音や光による情報の伝え方など、具体的な配慮のポイントが示されています。
WEBの分野では「JIS X 8341-3」がウェブアクセシビリティの規格として広く参照されています。こうした規格を指標にすることで、感覚的な配慮にとどまらず、根拠をもって”誰もが使える”設計を進められます。

アクセシブルデザインに関する国内外の規格や日本の取り組みについては、経済産業省の「高齢者・障害者への配慮規格策定の一層の推進」でも紹介されています。

なぜ今、アクセシブルデザインが重要なのか

アクセシブルデザインへの注目が高まっている背景には、二つの大きな流れがあります。ひとつは、高齢化の進行です。加齢にともなって、文字が見えにくい・小さな表示が読みづらいといった不便を感じる人が増え、誰にとっても使いやすい設計の必要性が高まっています。
もうひとつは、法制度の動きです。改正障害者差別解消法が2024年4月1日に施行され、民間事業者による障がいのある方への「合理的配慮の提供」が義務化されました。

制度の概要については、政府広報オンラインの「事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化」で詳しく紹介されています。これにより、製品やパッケージ、WEBサイトにおける情報のバリアフリー化は、社会的責任であると同時に、企業が選ばれるための価値にもなっています。

【当社の取り組み①】パッケージのアクセシブルデザイン|アクセシブルコード

ここからは、当社(セキ株式会社)が印刷・パッケージの分野で取り組む、アクセシブルデザインの実践をご紹介します。その中心となるのが「アクセシブルコード」です。

アクセシブルコードとは?

Export Japan株式会社様が開発する「アクセシブルコード」は、視覚に障がいのある方やディスレクシア(読み書きが困難な特性)の方、外国語を使う方などに向けて、音声や多言語で情報を伝えられる2次元コードです。商品パッケージに印刷しておけば、点字や言語別の説明書を同梱しなくても、スマートフォンでコードを読み取るだけで、用法・用量・成分・注意事項といった情報を、端末の設定言語に合わせた文字と音声で確認できます。
アクセシブルコードには、コード付近に配置された触覚認識マークという特徴があります。パッケージの形状等に応じて、四辺の凹加工または四隅の凸加工など、触覚でコードの位置を識別するための仕様を設けることで、視覚に頼らず「触って情報の入口がわかるパッケージ」を実現。「誰もが同じ情報に、等しくアクセスできる」ことを目指した、まさにアクセシブルデザインを体現する技術です。

紙器(箱・化粧箱)への活用

当社はExport Japan株式会社様の協力先の一社として、印刷とパッケージ製造の強みを活かし、紙器(化粧箱や紙箱)へのアクセシブルコードの組み込みに取り組んでいます。医薬品・化粧品・食品などの箱に印刷することで、成分や使用方法、注意事項などを、目が不自由な方にも音声で正確に届けられます。箱の限られた面積の中でも、デザイン性を損なわずにコードを配置する─印刷会社ならではの設計ノウハウが活きる領域です。

【当社の取り組み②】WEBのアクセシブルデザイン|ウェブアクセシビリティ

アクセシブルデザインは、物理的な製品だけでなく、WEBサイトにおいても欠かせません。WEBにおけるアクセシブルデザインが「ウェブアクセシビリティ」です。

ウェブアクセシビリティとは?

ウェブアクセシビリティとは、高齢者や障がいのある方を含め、誰もがWEBサイトの情報や機能を支障なく利用できるようにすることです。日本では「JIS X 8341-3:2016」という規格が指標となっています。前述のとおり、改正障害者差別解消法が2024年4月1日に施行され民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられたことを背景に、企業サイトでの対応の重要性が急速に高まっています。

手軽に対応できる支援ツール(fairnavi/AccessiLens)

既存サイトのアクセシビリティを手軽に高める方法として、閲覧支援ツールの導入があります。代表的なツールを二つご紹介します。

フェアナビ(fairnavi)

1行のコードを貼り付けるだけで、文字サイズ・行間・配色の変更や読み上げなど20種類以上の機能を追加でき、老眼・弱視・色弱・失読症など多様な特性に対応できるツールです。WordPressで構築されたサイトにも導入できます。
参考:フェアナビ(https://fairnavi.com/)

導入例|株式会社エス・ピー・シー

当社グループの株式会社エス・ピー・シーでは、コーポレートサイトにフェアナビを導入しています。サイト右上の人型アイコンを選択すると、文字サイズや色彩、文字間隔などを、閲覧する方の見やすさに合わせて調整できます。既存のWEBサイトにツールを導入し、アクセシビリティを高めた事例です。
エス・ピー・シーのコーポレートサイトをバリアフリー化しました

アクセシレンズ(AccessiLens)

サイバートラストが提供する、専用コードを埋め込むだけで文字拡大(最大300%)・読み上げ・ハイコントラスト表示・キーボード操作支援などを実現するツールです。JIS X 8341-3:2016の適合レベルAAに配慮し、国内外の基準に対応しています。
参考:AccessiLens(https://www.cybertrust.co.jp/accessilens/)

こうしたツールは、HTMLを大きく改修せずに、閲覧する人それぞれが見やすい形へ調整できる点が特長です。既存サイトのアクセシビリティを、比較的すぐに底上げできます。

当社がWEB制作で配慮している点

ツールの導入とあわせて大切なのが、サイトそのものを”つくる段階”からアクセシブルに設計することです。当社(セキ株式会社)では、WEB制作にあたり次のような点に配慮しています。

  • 文字と背景に十分なコントラストを確保し、色だけに頼らず情報を伝える
  • 読みやすい文字サイズ・行間にし、拡大しても崩れないレイアウトにする
  • 画像に代替テキスト(alt)を設定し、読み上げでも内容が伝わるようにする
  • キーボードだけでも操作できる導線と、分かりやすい見出し構造にする
  • フォームの入力欄に「氏名」「メールアドレス」などの項目名を明示し、誰もが迷わず入力できるようにする

これらは、JIS X 8341-3などの基準を意識した、”はじめから誰にとっても使いやすい”サイトづくりの考え方そのものです。ツールで補いながら、設計から配慮することで、本質的なウェブアクセシビリティを実現します。

アクセシブルデザイン導入のステップ

自社の製品やサイトにアクセシブルデザインを取り入れるときは、次の流れで進めるとスムーズです。

誰が・どんな場面で使うかを想定し、いま困りごとが起きていないかを洗い出します。

JIS X 8341-3などの規格を指標に、どこまで対応するかの目標を設定します。

色・文字・音声・導線などを見直し、パッケージなら情報のバリアフリー、WEBなら制作・ツールで対応します。

当事者に近い人の視点で使いやすさを確認し、公開後も継続的に改善します。

【当社の実践事例】アクセシブルデザインを取り入れたパッケージ

当社(セキ株式会社)では、アクセシブルコードを活用したパッケージの可能性をご紹介するため、Export Japan株式会社様より依頼を受け、展示会用の化粧箱サンプルを製造しました。実際の商品への採用事例ではありませんが、アクセシブルコードをパッケージにどのように組み込み、情報を届けられるのかを具体的に示した実装例です。

アクセシブルコード対応パッケージ|必要な情報を音声や多言語で届ける化粧箱

制作したサンプルでは、化粧箱にアクセシブルコードを印刷しています。スマートフォンでコードを読み取ることで、パッケージに記載された情報を文字や音声、多言語で確認できる仕組みです。このように、パッケージへアクセシブルコードを組み込むことで、視覚に障がいのある方や日本語を母語としない方など、より多くの人に必要な情報を届けられます。

アクセシブルコードは、化粧箱だけでなく、トレーやカートンなど、さまざまな形状の紙器への展開が可能です。当社では、実際の商品パッケージへの導入に向けて、アクセシブルコードの仕様に基づき、箱の形状や素材、触覚認識マークの加工方法など、用途に合わせた紙器パッケージをご提案します。

アクセシブルコードの実装で、紙器パッケージに「情報のバリアフリー」を

Export Japan株式会社

アクセシブルコードの実装で、紙器パッケージに「情報のバリアフリー」を

SEKI営業担当からのご提案

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よくある質問(FAQ)

A1. 近い概念ですが、重視する点が異なります。アクセシブルデザインは高齢者や障がいのある方が「利用できる」ようにバリアを取り除くこと、ユニバーサルデザインは「はじめからできるだけ多くの人が使える」ことを目指す、より広い考え方です。

A2. はい。改正障害者差別解消法が2024年4月1日に施行され、企業規模を問わず合理的配慮の提供が求められるようになりました。パッケージのコード活用やWEBの支援ツール導入など、できるところから始めることが大切です。

A3. できます。パッケージはアクセシブルコードの追加印刷、WEBは支援ツールの導入やリニューアル時の設計見直しで対応可能です。まずは現状の確認からご相談ください。

まとめ

アクセシブルデザインとは、高齢者や障がいのある方を含め、誰もが製品やサービスを利用できるように配慮した設計のことです。ユニバーサルデザインとの違いやJIS規格を押さえたうえで、大切なのは「実際にどう取り入れるか」です。当社(セキ株式会社)では、パッケージには情報を音声・多言語で届けるアクセシブルコードを、WEBにはウェブアクセシビリティへの対応を通じて、物理とデジタルの両面から”誰もが使える”を形にしています。アクセシブルデザインは、社会的責任であると同時に、企業が信頼され選ばれるための価値です。できるところから、一緒に始めてみませんか。

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