26.02.25
井村屋株式会社水性フレキソ印刷とノンソルベントラミネートによる環境配慮型パッケージ
- 水性フレキソ印刷
- 食品・飲料

PROJECT
STORY
食品のおいしさと品質を守るパッケージの役割
食品パッケージは、中身を包むための資材であると同時に、商品の魅力や品質イメージを伝える重要な役割を担っています。
井村屋株式会社さまにとっても、「水ようかん 袋入シリーズ」におけるパッケージ検討の前提は一貫して、おいしさや品質、ブランドイメージを損なわないことでした。環境への配慮は重要なテーマである一方で、商品価値を犠牲にすることはできません。環境負荷低減の検討は、品質や表現を維持したうえで実現できる方法を探ることから始まりました。
環境負荷を捉える視点「Scope3」とパッケージ
環境負荷を考える際には、CO₂排出量を「Scope1・2・3」という考え方で整理することがあります。Scope1・2は工場での燃料使用や電力使用に伴う排出量、Scope3は原材料の調達、輸送、包装、廃棄など、サプライチェーン全体で発生する排出量を指します。当取り組みの食品パッケージはこのScope3に該当するものです。環境負荷低減に取り組む手段として、包材の製造方法や加工工程を見直すことを検討しています。
製造工程の見直しによる環境負荷低減
本パッケージでは、水性フレキソ印刷+ノンソルベントラミネートを採用しています。
これは、パッケージ製造で一般的に用いられる油性グラビア印刷+ドライラミネートと比較して、印刷・ラミネート加工時に使用する有機溶剤や乾燥工程でのエネルギー消費を抑えられる製造方式です。
当社試算では、この製造方式を採用することで、CO₂排出量を約50%以上削減できる見込みとなっています。
水性フレキソ印刷とは
水性フレキソ印刷は、水性インキを使用した印刷方式です。 従来、軟包装パッケージでは油性インキを用いたグラビア印刷が主流でしたが、水性フレキソ印刷では有機溶剤の使用を大幅に抑えることができます。そのため、印刷工程における揮発性有機化合物(VOC)の発生や、乾燥時のエネルギー消費を抑えられる点が特長です。 近年は印刷技術の進化により、色調や階調表現、細かな文字の再現性も向上しており、食品パッケージに求められる表現品質と環境配慮の両立が可能になっています。

ノンソルベントラミネートとは
ノンソルベントラミネートは、有機溶剤を使用しない接着剤でフィルム同士を貼り合わせるラミネート方式です。 一般的なドライラミネートでは、有機溶剤で希釈した接着剤を使用し、乾燥工程を経て貼り合わせを行いますが、ノンソルベントラミネートではその乾燥工程が不要となります。
これにより、製造時のエネルギー消費やCO₂排出量を抑えられるほか、残留溶剤の心配が少ない点も特長です。 食品パッケージにおいては、中身の品質や安全性に配慮しながら、環境負荷低減を図る選択肢のひとつとして活用されています。
表現品質との両立に向けた検証
環境配慮型の製造方式を採用するうえで重視されたのが、表現品質です。水ようかんのなめらかな質感やシズル感、色調や階調の表現、店頭での印象など、商品らしさを伝える要素について、十分な検証と調整が行われました。水性フレキソ印刷は環境面でのメリットがある一方、表現力に対する不安が語られることもあります。デザイン要件を踏まえながら検証を重ね、環境配慮と品質表現の両立を目指した仕上がりが確認されています。
製品概要

| 商品名 | 袋入 水ようかん |
|---|---|
| 内容量 |
|
| 希望小売価格 | オープン価格 |
| 販売エリア | 全国 |
| 採用時期 | 2025年2月 |
※商品情報は変更となる可能性があります。
井村屋株式会社さまの取り組みと、セキの関わり方
本事例は環境配慮を目的としながら、商品価値やブランドの想いを守ることを前提に検討が進められた取り組みです。
当社では水性フレキソ印刷やノンソルベントラミネートをはじめとした環境配慮型の製造方式について、特定の方法を推奨するのではなく、お客さまの判断材料となる選択肢や情報を整理してご提案しています。環境への配慮が制約になるのではなく、商品づくりの考え方のひとつとして無理なく取り入れられるよう、今後もお客さまの想いに寄り添った支援を行ってまいります。
今後に向けて
当社では、環境への配慮を特別な取り組みとしてではなく、ものづくりの選択肢の一つとして、お客さまと共に考えていくことを大切にしています。印刷や加工の工程、使用する素材や製造方法によって、環境負荷のかかり方は大きく変わります。そのため当社では、用途や表現、品質要件を踏まえたうえで、環境負荷の低減につながる複数の選択肢を整理し、ご提案しています。

水性フレキソ印刷やノンソルベントラミネートをはじめ、脱プラスチック・減プラスチックに配慮した素材、持続可能な森林資源を活用した紙、CO₂排出量の低減につながる印刷手法など、環境配慮型商材や製造方法についても、具体的な情報をもとに検討いただける体制を整えています。環境への配慮が、商品の魅力や品質、ブランドイメージを損なう制約にならないこと。その前提を共有しながら、お客さまの判断に寄り添い、無理のないかたちで環境負荷低減に取り組めるよう支援していくことが、当社の基本的なスタンスです。
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